2018年10月 6日

引佐北区 施工管理業務

設計8年経験後、はじめての現場経験引佐北区 施工管理業務
第二東名高速道路は当時、現東名高速道路の渋滞解消と災害や有事における迂回路を担う目的として山間部に計画されました。

そのうち、弊社が担当した業務は、愛知県境に近い静岡最西部に計画された1500mの本線トンネルと、現東名高速に繋げる連絡路と長野側に伸びる三遠南信道路との接続部となる、わが国最大規模の高規格ジャンクションの工事管理でした。

トンネルボーリングマシン(TBM)引佐北区 施工管理業務第二東名は、設計速度140㎞/h相当の超高規格道路として車道3車線+フルショルダー幅員で計画されたため、トンネル部は当時としては実例のなかった断面積200㎡の大断面扁平トンネルを採用していました。

この大断面の標準工法として採用したのが、「TBM導坑先進拡幅掘削工法」でした。この工法は、大断面の中央にトンネルボーリングマシン(TBM)にてあらかじめ導坑を先行して施工し、その導坑が有すさまざまな効果を期待して、安全かつ合理的に拡幅施工を行うことを目的としたものでした。

幸いなことに弊社は、この第二東名高速道路に先駆けたパイロット事業であった秋田自動車道 湯田第二トンネルにおいて、TBM導坑先進拡幅掘削工法の設計から施工計画、積算基準作成、施工結果の集積まで、TBMでは他社に先駆けた経験を有していたので、自分には初めての現場経験でありましたが、自信をもってこの現場への参画を希望しました。

想定外に劣悪な地質しかし、自然は、そう簡単に私たちの期待通りにはさせてくれませんでした。

計画時は、1台のTBM機で上下線2本の導坑を約1年で施工する予定でしたが、実際には、導坑2本を貫通するのに3年近くを有したのです。

地質は、恐竜が生息していたといわれる時代に、海溝深く付加生成されたメランジ構造(硬いものと破砕されたものが混在する岩)と称す堆積岩で、非常に亀裂に富んでいるため、わずかな水で、もろく崩れやすく、トンネル屋にはとても厄介な地質でした。

引佐北区 施工管理業務

選択肢のないジレンマTBM機はシールド機同様、切羽の状態を直接目で確認することができないため、マシンの推力やトルク、排土の状況などあらゆる情報を駆使しながら施工を進めましたが、カッタヘッド前方からの切羽崩壊によりマシンが停止する事態に見舞われました。

狭隘空間のため、捕まったマシンを救出して再稼働するための手段としては人力掘削しか選択肢がなく、1日の進行がわずか50cmといった日もあり、崩壊のたびに2カ月程度の復旧期間を要しました。

TBMを貫通させたのちのNATMによる拡幅掘削においても、破砕帯部で切羽崩壊を招いたが、積極的に補助工法を駆使して安全の確保に努め、無事拡幅掘削の完了を迎えることができました。

引佐北区 施工管理業務

貴重な経験引佐北区 施工管理業務トンネル掘削による地すべりの誘発と対策、盛土場での予期しなかった希少植物の発見と保護対策、橋梁下部工施工場所のホタル環境の回帰保護なども経験しました。

また、造る側と地元との意見の食い違いなど、設計で勉強したことが通用しない場面にもたくさん出会いました。

トンネル貫通式の日、人力掘削という厳しい作業環境の中、最後まで現場の安全を貫いていただいた工夫の親方が、"いやぁ、大変でしたよ。でも、よかった。ありがとう"と涙を流しながらささやかれたときは、思わずもらい泣きをしてしまいました。

それぞれの立場が違っても、同じ目標に向かって苦労を共にし、最後にいい結果が残せることがこんなにも感慨深いものなのかということを、はじめての現場経験で痛感したことを覚えています。


技術部 田中



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プロジェクト事例

小浜東工事区 施工管理業務

軟弱地盤上にトンネル発生土を合理的に盛土小浜東工事区 施工管理業務
舞鶴若狭自動車道の敦賀から小浜間の約39㎞は、北陸道から山陽道吉川に至る日本海側の流通ネットワークの中で唯一残された未整備区間でした。

このうち弊社は、西側の上中~小浜地区間のトンネル5本、橋梁5橋、それらと接続する切盛土工を含む約10㎞について工事発注から開通までの管理を担当し事業全体の遅延もなく無事に路線開通まで行いました。

効率よくトンネルずりを運搬急峻な山間部を貫くトンネルは、橋梁と接続される連続トンネル群となり、工事に先立っては、土運搬や資機材の搬出入に必要な工事用道路の確保をしつつ、地元の生活道路環境に配慮することが課題でした。

そこで、土運搬は、一般道を経由することなく本線上から効率よく盛土場へ搬土できるよう橋梁等の発注手順を合理的に組み立てることに。

計画路線で最も延長の長いトンネル(約3㎞)は片押しで施工し、トンネル掘削ずりは、安全かつ効率の良い連続ベルトコンベアシステムにより坑外搬出する運びとなりました。

豆腐の上に重みをのせるようなもの山間部につながる平地部は、おぼれ谷とよばれる形成過程からなる国内でも有数の軟弱地盤地帯です。

小浜東工事区 施工管理業務「田んぼの真ん中に土を山積みして放っておいたら翌年、そこは池になっていた」という、話を地元の長老から伺ったことがありました。

そのような地盤であることから、トンネルから発生した掘削土をこの軟弱地盤上にいかにして盛土するかが技術的に大きな課題だったのです。

豆腐と同じように、高い含水比の粘土地盤は、ゆっくりと水分を抜きながら荷重をかけて圧密を促進してやらないと地盤の破壊が止まらなくなってしまいます。

そのため日々発生するトンネルずりは、一度に重みがかからないように効率よく盛土場所を限定して、合理的にゆっくりと少しずつ盛土することが必要になります。

そこで、現地土の圧密特性に配慮して、地表から垂直にカードボードドレーンという排水促進材を打ち込むとともに、盛土の速度と荷重は、1日当たり5~8cm相当に限定した緩速盛土(30cm盛ったら1週間程度放置)としました。

また、将来のゆっくりとした長期沈下が招く補修リスクを極力少なくするために、あらかじめ計画盛土高さよりも高く盛り上げ放置して、地盤を過圧密状態にする載荷盛土(プレロード・サーチャージ)工法も採用しました。

続くトンネルの掘削作業と排雪のために止まる盛土作業小浜東工事区 施工管理業務冬場の積雪時には、盛土一面が雪で覆われるため、盛土作業を一旦止めて排雪に専念する反面、トンネルは冬でも掘削しているため、ずりはどんどん出てきます。

そのような状況のなか、トンネル掘進工程と盛土速度の調整、さらには圧密放置期間を計測データなどと照らし合わせながら調整するなど、一連の工程を合理的に管理することに努め、その結果、事業全体の遅延もなく無事に路線開通ができました。

メッセージ小浜東工事区 施工管理業務路線供用して5年目の夏、私用で舞若道を利用する機会がありましたが、舗装の段差や波打つこともなく快適に走行できたのを覚えています。

心配した盛土区間は長期沈下もほとんど発生していないようで、「やったことは間違ってなかったのだ」と心なしか安心して何だか、ほっとした気分になりました。


技術部 田中

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東九州自動車道 唐原トンネル詳細設計検討業務

遺跡保存のためトンネルの計画唐原トンネル詳細設計検討業務
東九州自動車道は、北九州市小倉JCTで九州縦貫自動車道から分岐し、福岡から大分・宮崎を経て鹿児島に至る全長約436kmの高速自動車道です。

そのうち、本トンネルは福岡県築上郡上毛町に位置し、計画地は史跡唐原山城跡の南端付近の丘陵地を横断していました。

当初、単一断面(4車線)の土工切土で計画されていましたが、調査の結果計画路線上に古代山城跡が発見され、遺跡保存のためトンネルに変更されました。

地形はトンネル設計としては小土被りで(最大18m)、地質は新生代新第三紀の凝灰角礫岩、火山礫凝灰岩の未固結地山から形成され、強度的に見ても決して十分とはいえません。

しかも、トンネル上部に遺跡が存在する状況。トンネル工事による地表面沈下などで遺跡にダメージを与えるわけにはいかないため、本業務最大の課題は地表面沈下の抑制を念頭にした施工法の採用と将来線施工を見据えたトンネル構造の設計でした。

全長243mと高速道路上におけるトンネルとしては比較的短いトンネルでありながらも、双設トンネルとしての検討も考慮しなければならず、やりがいのある業務だったことを覚えています。

過去の経験を生かし、新たな工法への挑戦これまで双設トンネルといえば上下線一体構造の「めがねトンネル」が多く採用されてきました。

この場合、上下線の支保工や覆工がセンターピラー部を共有することから、非常に複雑な挙動を示し先行トンネル側に変状が発生するという構造上の問題点がありました。

上下線施工に伴いセンターピラーには大きい荷重が作用することになり、以前はこの部分をコンクリートで置き換えて上下線一体構造としていましたが、これをなくすことは、その荷重に耐えるだけの地山の強度と幅が必要となります。

そこで近年、補助工法の開発とともに高強度吹付コンクリート・高規格支保工の採用により、これらの問題解決のため上下線が各々単独構造となる超近接トンネルが施工されるようになってきました。

そうした背景などを踏まえ、本トンネルでは、FEM解析を用いて上下線一体構造の「めがねトンネル」と上下線分離構造の「超近接トンネル」について比較解析を行いました。

その結果、先行トンネルの安定・安全性を確保しつつ、遺跡に対する影響や経済性、施工面など有利となる「超近接トンネル拡幅案」を採用したのです。

唐原トンネル詳細設計検討業務

将来線(Ⅱ期線)施工を考慮した覆工構造「超近接トンネル拡幅案」を採用したものの、一筋縄ではいかないのがトンネル工事です。

小土被り・低強度地山における双設トンネルを暫定施工で計画するため、将来線(Ⅱ期線)施工時におけるⅠ期線トンネルの安定・安全性をいかに確保するかが課題でした。

これまでの双設トンネルは大半が完成形で施工されていました。しかし、今回はⅠ期線のみの施工であり、Ⅱ期線施工に伴いⅠ期線トンネルはⅡ期線側に引っ張られて変形し大きな応力を受けることになります。

そこで、その応力に耐えるためにFEM解析を行い将来線トンネルの施工に伴うⅠ期線トンネルの覆工コンクリートに作用する荷重を算定。

さらに、フレーム解析にて支保部材・覆工の構造計算を行い、Ⅰ期線トンネルの覆工補強として一部を増厚するとともに複鉄筋構造とすることでその問題を解決しました。

町道直下部のトンネル施工法起点側の坑口部は、トンネル支持地盤が軟弱なうえに上部を土被り1.6mで町道が横断していました。

そこで小土被りとなる町道に対しては、できるだけ短期間で町道機能を回復する必要があることから、一時通行止めとして坑口より30m間を開削し現場打ちの明り巻構造を構築したのち、土被りが2m程度確保できるように現町道を改良する計画としました。

また、坑口部の地耐力不足対策としては、開削時に攪拌混合処理(現地の土とセメント等を混ぜる)工法を施工して、支持地盤まで改良する計画としました。

メッセージ完成後、仕事で東九州自動車道を利用する機会がありました。

まず気が付いたのはトンネル名が唐原山城トンネルに変わっていたことです。

歴史ある古代山城跡から命名したのでしょう。試行錯誤し設計検討を行った業務でしたが、実際走ってみると、今は暫定車線しか施工されていないため、何の変哲もないトンネルであり、わずか10秒程度で走り抜けてしまいます。

「大変な工事=大規模な工事」というイメージがあるかも知れませんが、実は数秒ほどで走り抜けるわずかな距離のトンネルにもいろいろなストーリーが詰まっています。

地質やその時々の状況に応じて臨機応変さが求められるので、決して楽な仕事ではありませんが、その分やり遂げた時の達成感はとても大きなものです。

私の担当したこの「唐原山城トンネル」も、いつの日か双設トンネルになり注目される日を楽しみにしています。


技術部 今辻


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小坂工事区 施工管理業務

設計4年経験後、はじめての現場経験小坂工事区施工管理
日本海沿岸東北自動車道は、北陸自動車道と東北自動車道を結び、東北地方の日本海側における強化・発展を目的として計画されました。

そのうち、弊社は秋田県大館市~東北自動車道とを結ぶ小坂JCTまでの約6㎞区間における工事管理を担当しました。

自然の力を見せつけられる私たちが工事管理を担当したトンネルの地質は、新第三紀中新世の堆積岩(泥岩、凝灰岩類)で構成されており、泥岩・凝灰岩は膨張性を示す地質としてよく知られています。

掘削開始してから約500m進んだ付近から内空変位量の増大が顕著になってきたため、支保パターンを順次ランクアップしていきました。

しかしその後も内空変位量は増大し続けたため、変位抑制を目的に仮吹付インバートで早期閉合を図り、仮インバート(ストラット)も施工していました。

前日に上記の対策を実施した区間を翌日見に行ってみると、そこでは鋼アーチ支保工がぐにゃっと曲り、本設インバートや仮インバートが崩壊していました。

初めて自然の力をまざまざと見せつけられ、「こんな山、本当に掘れるのかな?」と不安になったことを覚えています。

重金属を含む土砂は饅頭のように封じ込め盛土小坂工事区 施工管理当該地域周辺は、世界的に有名な黒鉱鉱床(海底火山活動で堆積した銅、鉛、亜鉛などの多金属を含む地層)が存在しているため、トンネル掘削により発生するズリ(岩石)が原因となり重金属等の流出による農作物や健康被害の発生が危惧されていました。

そこで有識者や専門技術者からなる委員会が設置され、トンネル掘削土に対して重金属を有害量含んだものか、含んでいないものかを判定する方法や処理方法について検討されました。

重金属を有害量含んだものについては、「管理型ずり」と称して本線脇の管理型盛土場に搬出しました。

管理型盛土場の構造は、遮水シートによって有害土を完全に封じ込める方式で、いわば饅頭の中にアンコをくるむような処理方法です。

小坂工事区 施工管理夏の暑い時期に真っ黒な遮水シートを敷き並べ、継ぎ目を熱圧着させます。これだけでも厚いのに、水一滴でも外に出さないよう管理しなければならないので、熱圧着継ぎ目部に針を通す確認試験をひたすらやり続けた記憶があります。

この甲斐もあり、盛土後の周辺河川水のモニタリングにおいても異常は認めらませんでした。

コンクリート技術者としての成長小坂工事区 施工管理この現場で約9年勤務する間に、私はある生コン工場の工場長と仲良くなることができました。

その方は自分の工場から出荷される生コン打設の日には必ず現場に来て、出荷された生コンの状態や打設中の状況、時には仕上げまで携わるほどとても熱心な人でした。

コンクリートにとても造詣が深く、大学の授業でしか生コンに触れたことのなかった当時の自分にとってはまさに先生と呼べる人で、その方からコンクリートに関する様々なことを教わることができました。

また秋田の冬はとても厳しく、時にはマイナス30度近くになる日もあります。

ポップアウト(粗骨材中の水分が凍結・膨張し、コンクリート表面のモルタル分が剥離するという現象)を初めて見たり、寒中養生がうまくいかずコンクリートを凍結させてしまう失敗もしました。

このように秋田の現場で出会った人や気候により技術者として成長し、コンクリート技士・コンクリート診断士の資格も取ることができました。


技術部 井上


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穂別工事区 施工管理業務

初めての現場で北海道屈指の難工事を担うことに穂別工事区施工管理
道東自動車道は、北海道千歳市の千歳恵庭ジャンクションから、海道釧路市の阿寒インターチェンジ及び足寄郡足寄町の足寄インターチェンジに至る高速道路である。

入社4年目となる平成15年11月、北海道千歳の地に降り立った当時20代半ばの私は、以前より弊社が請け負っていた道東自動車道の夕張~占冠間のうち、むかわ町穂別全域と占冠村の西部を担当する施工管理業務のチームに加入しました。これが初めての現場経験でした。

このチームは、この路線の中でも屈指の難工事と想定され、道路トンネルとして当時道内最長(現在2位)の延長を誇る穂別トンネル(延長4.23km)を担当していました。

このトンネルが難工事と想定されたのは、これまでに激しい地殻変動の影響を受けた複雑な地質構造を呈し、非常に脆弱な蛇紋岩※に代表される変成岩が多く存在するとともに、土被りが最大約400mと非常に大きかったためです。

北海道の道央と道東を結ぶ重要なプロジェクト穂別工事区施工管理当時、道東自動車道の夕張~十勝清水間は急峻な地形と過酷な気象条件下にある日勝峠(標高1,022m)への回避が余儀なくされていましたが、この道東自動車道は夕張~十勝清水間が結ばれることで、道路標高が約400m下がり、道路の線形が大幅に改善されます。

そうしたことで、走行距離が約30km短縮され、所要時間が約50分も大幅に短縮されます。

また、標高が下がることにより、吹雪・濃霧・事故などのリスクが減少し、交通の安全性も大幅に向上することが見込まれていたことから、道東自動車道は北海道の東西分断を解消するとともに、道央圏と道東地域の連携を強化し、沿線地域の産業、経済、文化の発展に大きく貢献する道路として期待されていました。

その様な社会的にもトンネル工事としてもやりがいのある業務が初めての現場ということで、チーム加入当初から多くの貴重な経験の連続だったことを覚えています。

度重なる切羽崩落を乗り越えてもやってくる難所の数々穂別工事区施工管理当チームでは、平成15年3月に準備工事として穂別川工事に着手したのを皮切りに、順次本線工事に着手し、平成16年調査坑としての位置づけで、穂別トンネルに並行する避難坑を東西より掘り始め、平成18年3月以降東西より本坑の掘進を開始しました。

私が主に担当していた西工区では、蛇紋岩が出現する以前に、泥岩、緑色岩、粘板岩の破砕帯において幾度となく切羽崩落や大きな変位に苦しめられ、進捗を阻まれました。

私自身、初めての切羽崩落は今でも鮮明に脳裏に焼き付いており、自然の脅威に圧倒されたことを今でも覚えています。

そしてそれを乗り越え、とうとうトンネル地質の主体である蛇紋岩のおでましとなりました。

この区間の支保構造は、避難坑での実績を踏まえ、解析的な手法も取り入れて支保構造の安定を図るために、『高耐力二重支保工(高強度の材料を使用し支保工を二重にする工法)による早期閉合(インバート支保工までを早期に閉合するもの)工法』および地山の一体化を図り先行変位を抑制する『長尺外周補強工』を採用し、蛇紋岩に立ち向かいました。

多数の切羽崩落でも一人も欠けることなく迎えた貫通の瞬間蛇紋岩に立ち向かうため、たくさんの準備をしてきたことから、大きな変位や切羽崩落もあったものの、無事、平成22年7月23日、東西が貫通しました。

東西を分かつ最後の切羽から光が漏れたとき、大きな歓声があがり、前線の工夫さんやJV職員さん、ネクスコ職員さんと共に健闘を讃え合いました。

何よりも、あれだけ切羽崩落にあいながら、事故で一人もかけることなく、全員で貫通を喜び合えたことに大きな感動を覚えました。

平成23年10月に開通してから、7年。北海道旅行をした際には、必ず自身が携わったこのトンネルを駆け抜けています。そしてこれから何度でもこのトンネルを駆け抜けたいと思います。

蛇紋岩は地質的に脆弱な地質構造線や断層構造に沿って広く分布し、含水鉱物である為、風化作用を受けやすく、もろく崩れやすい性質がある。又、トンネル掘削により強大な土圧が作用し、内空断面が大幅に縮小するような膨張性を有する。


技術部 椎本

  • 穂別工事区施工管理
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