トンネル設計って、どんな仕事?
トンネル設計とは、トンネル工事を進めるために必要な図面や数量を作成する仕事です。
トンネル設計は、ただ図面を描くだけではありません。地上からは見えない地下の様子を、地質調査の結果やトンネル施工事例等をもとに、安全で効率の良い工事の方法を提案する、とても重要な仕事です。
トンネル工事には大きな費用がかかるため、設計によって「どのくらいの工事になるのか(=予算や規模)」を正しく見積もることも大切な役割のひとつです。
トンネル詳細設計における検討項目の一例
設計STEP①現地踏査(げんちとうさ)
- 設計を始める前に、設計する現地を歩いて、地形や周囲の状況をしっかり把握します。
設計STEP②設計計画
- 設計に必要な資料を集めて整理します。
- トンネルの断面形状や施工法など、基本的な方針を決めます。
設計STEP③平面図・縦断図作成
- トンネル全体の平面線形や縦断線形を計画します。
- どんなカーブを描くか、高さの変化(道路の勾配)、坑口(トンネルの入口)まわりの形などもここで表します。
設計STEP④地質平面縦断図作成
- 地質調査のデータや現地踏査の結果から、地中の岩や土の状態を分類します。
- それを地質平面、縦断図にして、どこにどんな地層があるかを視覚的にまとめます。
設計STEP⑤トンネル断面設計
- トンネルの適正な断面を提案します。
- どのように掘るか、どんな支え(支保工)を使うか支保工形状などを決めます。
- 必要に応じて、コンピューターで力の分布やトンネル壁面やトンネル周辺の山の動きをシミュレーション(FEM解析)します。
設計STEP⑥坑門工設計
- トンネルの出入口(坑門)の詳細な構造を設計します。
- 坑門の形、コンクリートの厚さや強さ、鉄筋の配置など計画します。
設計STEP⑦排水工設計
- トンネル内の湧水や雨水を排出するための排水設備を設計します。
設計STEP⑧施工設備計画
- 工事工程表作成
- 工事のスケジュール(工程表)を立てます。
- 工事に必要となる建設機械や電力設備、工事中に発生する汚濁水を処理する設備について計画します。
- 工事中の騒音や振動などの環境への影響を減らす対策もここで検討します。
設計STEP⑨その他
- トンネルの完成イメージ図(坑口パース)を作成します。